今回はオーダーメイドジュエリーのお話です。このところオーダーメイドの仕事を皆様からたくさん頂いております。ありがとうございます。ただ、一品一品手作りなのでなかなかすぐには出来上りません。お待ちいただいておりますお客様、もうしばしお待ち下さいませ。
手作りと言いましてもいくつか作り方はございますが鋳造という作り方のお話です。鋳造というのは案外なじみのある技法で古くは奈良の大仏さんも鋳造で作られました。指輪などは鋳造の技法の中でもロストワックス法と呼ばれ鋳造の中でも特に精密なものに適した鋳造法です。ゴルフクラブなども同じ方法で作られているそうです。
このお気に入りの指輪を作りかえさせていただきました。
今回ロストワックス法を選んだ理由は原型をワックス(蝋)で作るので自由自在に形を作り出すことができる。
立体造形に向いているのです。反対に石の多いものは錺の技法で作ることが多いです。
ワックスは暖めると柔らかくなり盛ったりできますし、冷えて固まるとヤスリで削れ、彫刻刀も使えます。これが出来上った指輪のワックス原型です。ダイヤを乗せるとわかりやすいのでのせてみました。 これをプラチナに置き換えるのです。
(有)五十嵐金型工場より
簡単に言いますと
ワックス原型を埋没材に埋めて固めます。そして加熱しワックスを溶かします。すると埋没材の中に指輪の形をした穴が出来上ります。そこに溶かしたプラチナを入れてできるのです。言葉で書くととても簡単に思いますが、プラチナは溶ける温度が1769℃と高く溶かしても粘りが強く鋳造しにくい材質で、鋳肌がなめらかに美しく作るためには様々な工夫、知恵、経験が必要なのです。失敗したらいちから作り直しです。。。
吹き上がった指輪
表面はすりガラスの様です
めっちゃ かっこいい指輪!! 実物はもっとすごい!!
完成!!!
8616
先日ご注文いただきました東大阪のI様の指輪をもとにお話しさせていただきます。
この指輪の形は「長州」と呼ばれ、
「日本で始めてダイヤの指輪を着けたのが幕末の毛利長州公だった」
ので そう呼ばれています。
I様から、永年身に着けているもので、巾を広くシッカリ頑丈にかっこよく作ってほしいというご注文でした。
ワックス原型ともとのリング枠
次は鋳造し終わった指輪を磨きます。18金や銀などは粘りが少ないので磨きやすいのですが、プラチナはやはり粘りが光りにくいです。特に長州のような平面部分が多いデザインを磨き上げるのは時間のかかる根気のいる作業です。
磨き上がった指輪にダイヤモンドを石留めして完成です。
少し黒みがかったプラチナ光沢とデザインで生じた陰の黒の対比が美しい指輪に出来上りました。
最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
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