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オーダーメイドうさぎコインペンダント製作物語

オーダーメイドうさぎのコインペンダント製作物語

あなたの想いを言葉を形にします

こんにちは。ジュエリー職人井原一成です。

ある年末のこと、お客様からメールでご相談を受けました。
北は北海道函館、南は鹿児島奄美大島から、 リフォーム・修理・オーダーメイドのお仕事を頂戴しております。
今回のお客さまは香川県さぬき市からのご相談でした。 「18金もしくは24金で、ペットのうさぎの写真から
オーダーメイドコインペンダントを作成することは可能でしょうか?」とのことでした。

昔は、けっこう気軽に写真をコインに転写する加工場などもあったのですが、
現在ではパソコン、スマホなどが普及し、最近の液晶画面は画像の解像度が非常に高く、
実物以上に鮮明に表示してしまう(たぶん)!?ので、 画像をお持ちのお客様からの要求が厳しくなり、
機械はあるけれど、転写はしてくれない場合が多いようです。
要するに、彫り手にしてみれば、「クレームになるくらいやったらやめとこか」ということのようです。

人の目というのはとてもよくできていまして、見たところ見たところで瞬時に露出をあわせてくれる、非常に優れた機能を持っています。
白いものを見たときは白の中の白から黒に露出をあわせます。
黒いものを見たら、黒いものの中の白から黒に露出をあわせます。
写真の中の白いものを見て、露出が合ってしまったら、
同じ写真の中の黒いものは黒一色でつぶれちゃうわけなのです。

18金に彫りこむレーザー彫刻は、その諧調がスマートホンの画面と比べると非常に狭いものとなるため、
写真が鮮明でないものになるのはしょうがないことなのですが、
24時間365日、たとえ日本に電気がなくなってしまったとしても身に着けていられるコインになるのです。

画像を金属に彫る良し悪しは、彫刻する前の画像調整にかかっています。
画像を金属に彫るイメージはちょうどハンコのイメージです。

うさぎ
まず、カラーの写真を白黒にします。
背景は白にするか?黒にするか?
うさぎ うさぎ
うさぎ うさぎ
それからカメラで露出を合わせるように
画像が分かるよう、白から黒への諧調を調整します。
うさぎ うさぎ
光る金属へ彫刻するので、まずは真鍮板にいくつもいくつも彫ってみて、
テストをしてから、 本番のコインに彫刻します。
うさぎ うさぎ
18金で直径20ミリのコインペンダントで作ります。
うさぎ
うさちゃんの画像を彫刻し終わってから文字の刻印を入れます。
うさぎ うさぎ

いくつも真鍮板にテストをして、同じように彫っても、
真鍮板と18金板では若干出来上がりが違うのですね。
なんでなんでしょうね。
調べてみたら、真鍮のビッカーズ硬度が75-125に対し、
18金は120-130と、金のほうが硬いので、色調が薄くなるのではと考えています。